トラック輸送産業の現状と課題(1)
 21世紀という新時代を間もなく迎えることとなるが、果たしてトラック運送業界は今日まで継続してきた脆弱な経営基盤と低収益体質から脱却できるのであろうか。すでに荷主物流をはじめとしてトラック運送事業をとりまく環境は激変している。果たして、この変化に追随していくことが可能なのだろうか。
 このような問いかけに対し、明快な回答を引き出すことは困難である。ただ言えることは、市場に適合して一定の成長を確保できる企業とそうでない企業との格差が一段と開くという点である。20世紀の後半において、トラック運送事業者の多くは小規模零細の段階からスタートし、わが国経済の高度成長の波に乗って貨物取扱量の増加を受け止め、みずからの成長を遂げてきた。そこには、多くの事業者に量的拡大に依存した企業規模の拡大という同質の成長パターンをみることができた。
 しかし、21世紀ではこのパターンは通用しない。輸送需要の量的拡大は期待できず、トラック運送事業者の多くが未経験である荷主貢献的な物流サービスに対する需要への対応が求められているのである。この変化に気づき、その需要に的確に適応できる企業とそうでない企業との格差が生じるのである。

* 出典元 社団法人全日本トラック協会 平成12年版 トラック輸送産業の現状と課題